予備知識なしで楽しめる、2015年公開映画ベスト5

2015年は久々に月1回以上のペースで映画館に足を運んだ1年でした。
世間的にも映画が何かと盛り上がった年だったような気がします。

それはスター・ウォーズを始め
人気シリーズの新作が多数公開されたことも一因だと思いますが、
シリーズ物の評価は一連の作品に関する経験に左右されてしまうので、
それ以外で面白く、予備知識なしで楽しめるベスト5をメモしておきます。

5位「セッション」

監督・脚本のデミアン・チャゼルはまだ30歳。2012年にこの脚本がハリウッドのブラックリスト(映画化が実現していない優秀な脚本リスト)に掲載された時はまだ20代。それから資金集めのために短編を制作して映画祭に出品し、その結果見事に映画化され、アカデミー賞にも5部門にノミネートされた。子どもの頃からの映画制作という夢を叶えた、その過程も映画的です。描きたいものが伝わってくる良作でした。こういう若い監督が認められて、新しい原動力になっていくのは業界全体にとってもいいことだと思います。

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4位「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

第二次世界大戦下のイギリスで、ドイツ軍の使用した暗号エニグマに挑んだ天才数学者、アラン・チューリングの伝記をもとにした作品。恥ずかしながらチューリングのことは教科書レベルの知識しかありませんでした。かなり脚色が入っているとは思うけれど、よく知らない人間にとっては、このくらい分かりやすくしてもらった方が入りやすいです。コンピュータの祖と言われる、これほどまでの天才の功績が、つい最近に至るまでほぼ知られていなかったことに、改めて驚愕を覚えました。

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3
位「チャッピー」
 
9地区を観たとき、ものすごくセンスと、バランス感覚に優れた監督だと思いました。映画全体のクオリティの高さもさることながら、鋭い社会風刺的なメッセージを内包しながら、あくまで主体は娯楽であるというスタンスがとても好ましく感じられるのです。チャッピーもまさしくそういう映画です。格差社会への痛烈な批判と見ることもできるし、あるいはロボットと人間が心を通わせる様を描いたハートウォーミングな作品と見ることもできます。SF好きにもロボット好きにも、社会派好きにも楽しめる映画ではないかと思います。

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2位「アメリカン・スナイパー

実在の人物を描いた作品はイミテーション・ゲームに続き2本目。ネイビー・シールズに在籍した伝説のスナイパー、クリス・カイルの半生を描く。当初はデヴィッド・O・ラッセル、次にはスピルバーグが監督をするという話がありましたが、最終的に監督を務めたのはクリント・イーストウッドでした。イーストウッド作品としては、初めてのIMAXドルビーアトモス作品となりましたが、映像としても非常に美しく、静寂で、繊細なバランスの上になり立った作品でした。85歳にしてなお、自身の記録を塗り替える作品が作れるというのは本当にすごいことですね。

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1位「キングスマン

この作品を1位に挙げるのは迷いましたが、いい意味で予想を裏切られた作品で、間違いなく一番笑った作品でした。同監督の「キック・アス」のときは、設定やキャラクターはいいのに、何か一つ物足りず、もっと破天荒にやってもいいんじゃないかと感じていました。その記憶があったので、この作品も似たようなものかと思っていたのですが、いい意味で期待を裏切られました。クロエ・グレース・モレッツが演じたヒットガールのアクションシーンの更に上を行く、コリン・ファース渾身のキレッキレのアクションを、何度でも堪能したくなりますよ。

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